一過性全健忘

一過性全健忘。一時的な記憶障害が起きる病気で、中高年世代に発症します。

数時間以内に回復することが多く、予後も良好なことが多いのですが、患者本人としては狐につままれたような、不思議な体験をすることになります。

発作中も意識は保たれているのですが、新たな記憶形成が出来ず、また発作前の数日間〜数年間の記憶も失ってしまうのだそうです。その為、一過性全健忘の発作中は自分の置かれている状況が把握できず、何度も自分がどこにいるのか尋ねたり、同じ行動を繰り返したりします。

記憶障害のほかには障害が起きていないので、運転や料理など、普段行っている行為自体は特に問題なくこなせます。しかし回復しても、その間の記憶はないことが殆どだそうです。それ故、車で外出時に発症し、数時間後我に返った時には自宅に居て、「どこをどう運転して帰って来たのか、全く分からない・・・」といったことが起きるのですね。

一方、発作中に失っていた発作前数日間〜数年間の記憶については、発作後にはかなり回復すると言われています。

一過性全健忘の原因は、今のところ不明です。一過性全健忘は片頭痛持ちの人に多いということで、片頭痛との関係性が指摘されてはいるのですが、詳しいことはまだ分かっていません。

また、周囲の人の対処法としては、やはりすぐに病院へ連れて行くことが大切です。一過性全健忘であれば余り心配要りませんが、脳梗塞などの深刻な病変がある可能性もありますので、早急にMRI等の検査を受けさせましょう。